京都アニメーションの放火殺人事件を巡り、政府は、同社へ寄付する個人や企業に対する税負担の軽減措置を検討しています。
現行の制度ではほとんど税制面での優遇を受けることができず、具体的な計算については以下となります。
法人が寄付した場合、計算式は以下となります。
〔資本金等の額 ×12分の当期の月数×1000分の2.5+所得の金額×100分の2.5〕×4分の1=〔損金算入限度額〕
●計算例として、資本金等の額1,000万円、所得の金額1,500万円、1年決算法人の場合の損金算入限度額の場
〔1,000万円×12分の12×1000分の2.5+ 1,500万円 ×100分の2.5〕×4分の1=〔10万円〕
となり、10万円までしか損金として認められません。
次に個人が寄付した場合場合、個人が一般企業に寄付した場合、寄付控除などは受けられません。今後、経済産業省や財務省、国税庁が協議していくこととなるそうです。
現在出ている検討案では地方自治体を経由したうえで寄付する制度を考えているそうですが、一方で下記の通達があります。
国等に対する寄附金について
国等に対して採納の手続を経て支出した寄附金であっても、その寄附金が特定の団体に交付されることが明らかである等最終的に国等に帰属しないと認められるもの(いわゆるトンネル寄附)については国等に対する寄附金には該当しないこととされています(法人税基本通達9-4-4、所得税基本通達78-6)。
このような通達があるため、それに背かない制度を作らなければなりません。
最終的にどのような制度になるかを今後確認していく必要がありそうです。