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相続直前の不動産評価引き下げスキームにメス。令和9年の改正に要注意!

 相続直前の不動産取得や小口化不動産を利用した評価引下げスキームは相続
対策として広く利用されてきましたが、令和8年度税制改正において重要な見直しが
行われ、従来のような税金対策効果が得られにくくなる可能性があります。今回は、
不動産評価における改正の概要と実務上の留意点についてまとめてみました。
いずれも令和9年1月1日以後の相続、贈与から適用となります。

  • 相続等の直前に取得した貸付用不動産の評価について

従来、現金を保有したまま相続を迎えるよりも、不動産に組み替えることで相続税
評価額を引き下げることが可能とされてきました。

とくに都市部の収益不動産については、借家権割合や賃貸割合の影響により、
時価の3~4割程度まで評価が下がるケースも少なくありません。この差を利用し、
相続税対策として賃貸マンションを取得して税負担を抑える手法が広がりました。

今回の改正では、こうした短期的な評価引下げを目的とする不動産取得について
評価上の制限が設けられ、相続開始前5年以内に取得するか、または新築した
一定の貸付用不動産については、従来の路線価評価等ではなく、課税時期に
おける通常の取引価額(実勢価格に近い金額)によって評価されるという、
「5年ルール」が設けられることとなりました。

  • 小口化された貸付用不動産の評価について

また近年、富裕層を中心に活用が広がっていたのが、不動産を小口化した投資
商品(小口化不動産)です。

小口化不動産は一棟の不動産を複数の投資家で共有し、保有口数に応じた賃料
収入や売却益などを分配金として受け取ることができる商品で、少額から不動産
投資が可能となる点が特徴です。

これは金融商品に近い性質を持つ一方、相続税評価上は不動産として評価されます。
そのため、市場価格との差を利用した相続・贈与対策として活用されるケースが
広がっていました。

今回の改正では、こうした「商品として小口化された貸付用不動産」についても
見直しが行われることとなり、路線価による評価から通常の取引価額に相当する
金額によって評価され、取得時期にかかわらず、通常の取引価額を基準として
算定されます。

実務においては、不動産の取得時期に留意し、相続・贈与税申告の際に従来の評価
方法が適用となるか、改正後の評価方法が適用となるかを適切に判断する必要が
あります。

これらの改正に備えて、令和8年中に駆け込み的な贈与を行ったとしても、他の
財産状況や将来の相続税負担によっては必ずしも有利になるとは限りません。
ご自身や受贈者の財産、生活環境、家族関係等を踏まえて慎重に検討する必要が
あります。

複雑化する税制と向き合い、対応するのはもちろんですが、それに振り回されず、
長期的な視点で次世代への承継を考える視点も必要です。税理士法人優和では、
豊富な税務知識を備えたスタッフが多数在籍しております。相続・贈与税額の
シミュレーション等も可能ですので、皆様のご相談をお待ちしております。

M・Y

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