日本から出国する際、国籍問わず1回1,000円が航空代金等に上乗せされる
税金で、2026年7月からは3,000円に決定しているのが国際観光旅客税、
通称出国税です。
これとは別で、国外転出時課税制度(出国税)なるものも存在します。
ほとんどの人は、知らない、ないし、関係しないとも言えますが、昨今の
投資ブーム、株高を始め、国際相続も増えており、対象になると知らなかった
ではすまないほどの影響がでるものです。
まず、この国外転出時課税制度とは平成27年から始まっている制度で、
国外転出(国内に住所を持たなくなる)をする一定の居住者が1億円以上の
有価証券等を所有している場合には、その対象資産の含み益に所得税が課税
されるものです。
贈与や相続の場合においても、1億円以上の対象資産を所有している居住者から
国外に居住する親族等や相続人等に贈与や相続をする場合には、譲渡したものと
みなして対象資産の含み益に所得税が課されます。
日々の株価変動や追加投資で気付かないうちに1億円を超えていたり、移住を
検討するタイミングで初めて出国税の対象になっており、多額の課税が避けられない
ことが判明することもあります。
最悪なのは、対策もなにもできない、自分が対象者と気づかないまま、後から
課税を通知されるケースです。その場合は、過少申告加算税や延滞税など多額の
追加納税が発生します。
海外赴任や一時留学を念頭に、5年以内に戻った場合は、4か月以内に更正の
請求をすることで戻る制度や、納税管理人を事前に選ぶことで5年の納税猶予
制度もありますが、あわせて、納税資金を準備したり、先に資金計画に織り込む
ことが必要です。
最後に、この国外転出時課税制度は、移住した国によっては有価証券の売却に
課税されないこともあるから、租税回避になるとして作られた制度です。
にも拘わらず、国によっては、売却した際に課税されるという二重課税の場面も
あるかもしれません。
J・Y
