特定親族特別控除が新設されます
4月に国税庁より税制改正が発表され、ニュースでも連日大きく取り上げられていた基礎控除の引き上げが発表されました。
しかし、基礎控除の引き上げと併せて、所謂大学生年代のお子さんをお持ちの方が控除を受けることができる「特定親族特別控除(仮称)」が新設されたことを知らない方は多いのではないでしょうか。
「特定親族特別控除」とは、今年の年末時点で年齢19歳以上23歳未満の合計所得金額に応じて所得控除が受けられる制度です。従来の扶養親族の合計所得金額48万円(給与収入のみの場合103万円)が、今回の税制改正により58万円(給与のみ123万円)に引き上げられました。従来通り合計所得金額58万円(給与のみ123万円)までは扶養控除が63万円満額受けることができますが、特定親族特別控除は大学生年代のお子さんに限り合計所得金額58万円を超えたとしても控除が受けられる制度になっています。
具体的には、大学生年代に限り合計所得金額85万円(給与のみ150万円)まで扶養控除額が63万円変わらず受けることができ、85万円~123万円(給与のみ150万円~188万円)までは、所得金額5万円ごとに段階的に控除金額が逓減していきます(最低3万円)が、控除を受けることができます。現在の配偶者特別控除と同じような扱いになるということですね。
ただし、こちらは親御さんが受けられる控除であり、大学生年代のお子さん本人は基礎控除を超えた段階で源泉所得税や住民税、社会保険料などをご自身で支払わなければならない点には注意が必要です。しかし、親御さんの扶養控除が丸々全額なくなっていた以前と比べて大学生年代のお子さんがより働きやすくなったのは間違いありません。
特定親族特別控除は今年の年末調整からスタートします。大学生年代のお子さんを持つ方は、新たに「給与所得者の特定親族特別控除申告書」を会社に提出する必要があります。
お子さんの合計所得金額(給与収入のみの場合は給与金額)を間違えてしまうと控除金額が変わってしますので注意が必要です。また、年末調整を行う会社や税理士事務所は、大学生年代のお子さんが居る方の年末調整は特に注意して行うようにしましょう。