法人税の改正の中で、賃上げ・生産性向上のための税制である所得拡大促進税制について説明します。
◇ 所得拡大促進税制について(中小企業等を除く)
青色申告書を提出する法人が、平成30 年4月1日から平成33 年3月31 日までの間に開始する各事業年度において国内雇用者に対して給与等を支給する場合において、次の要件を満たすときは、給与等支給増加額の15%の税額控除が可能になります。この場合において、教育訓練費の額の比較教育訓練費の額に対する増加割合が20%以上であるときは、給与等支給増加額の20%の税額控除ができることになります。(ただし、控除税額の上限は、当期の法人税額の20%)
① 平均給与等支給額から比較平均給与等支給額を控除した金額の比較平均給与等支給額に対する割合が3%以上であること。
② 国内設備投資額が減価償却費の総額の90%以上であること。
◇ 中小企業における所得拡大促進税制について
青色申告書を提出する中小企業者等が、平成30 年4月1日から平成33 年3月31 日までの間に開始する各事業年度において国内雇用者に対して給与等を支給する場合において、平均給与等支給額から比較平均給与等支給額を控除した金額の比較平均給与等支給額に対する割合が1.5%以上であるときは、給与等支給増加額の15%の税額控除が可能になります。この場合において、次の要件を満たすときは、給与等支給増加額の25%の税額控除ができるようになります。(ただし、控除税額の上限は、当期の法人税額の20%)。
① 平均給与等支給額から比較平均給与等支給額を控除した金額の比較平均給与等支給額に対する割合が2.5%以上であること。
② 次のいずれかの要件を満たすこと。
・ 教育訓練費の額の前期の教育訓練費の額に対する増加割合が10%以上であること。
・ その中小企業者等がその事業年度終了の日までに中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受けたもので、その経営力向上計画に従って経営力向上が確実に行われたものとして証明がされたこと。
上記の「中小企業者等」とは、中小企業者(適用除外事業者を除く)又は農業協同組合等をいいます。
設立事業年度は対象外です。平均給与等支給額及び比較平均給与等支給額については、計算の基礎となる継続雇用者の範囲を当期及び前期の全期間の各月において給与等の支給がある雇用者で一定のものとし、継続雇用者がない場合には、上記の要件は満たしません。