最近になって、電子帳簿保存法やインボイス制度と国税庁から次々と新しい制度が発表され対応に追われることが増えました。
先の二つほど大々的に扱われてはいませんが、ダイレクト納付も国税庁が推進している制度です。
電子帳簿やインボイス制度に関しては、罰則があったり、消費税に係ることだったりと致し方なしと受け止める方もおられますが、ダイレクト納付はこちらにメリットがある制度になります。
今回は納税の度に金融機関に足を運ばずに納付ができるダイレクト納付についてご紹介します。
ダイレクト納付とは、国税・地方税ともに申告書等を提出した際に納税者自身の名義の預貯金口座から即時または指定した期日に口座引落しにより、税金を電子納付できる手続きです。
数年前から電子申告が推し進められ、当事務所でもすでに申告は届出も含めてすべて電子申告で行っています。とはいえ、納税者にとって電子申告は、確定申告がネットでできるようになったことがほとんどで、法人の方にとってはあまり身近に感じる制度ではありません。
しかし、ダイレクト納付は、電子申告の先にある制度とも言えます。 電子申告した内容に基づいて、口座から即時または指定した期日に引き落としされ国税が電子納付できる制度です。
e-Taxの利用開始手続きとダイレクト納付口座の届出を初回に行い、e-Taxで納付日・納付金額を登録しておくことで口座より引落しがされます。法人税、消費税、所得税など、ほとんどの税目で利用が可能です。
ネットバンキングが普及した今、税金の納付だけ窓口にいかれる方も少なくありませんが、この方法ならそれも必要なくなります。
一番のメリットは毎月10日の源泉納付でしょうか。1年間、遅延がなければ宥恕規定があり延滞税や加算税はかかりませんが、金額の大きい法人にとっては、かなり気をつかいます。
ダイレクト納付なら事前に登録することも可能で納付期限を過ぎてしまうことも減ります。
地方税のダイレクト納付の手続きはeL-Taxより行います。
初めて手続きを行う場合は、納税者の口座情報をPCdeskへ登録、口座振替依頼書を金融機関に郵送し、PCdesk上で審査結果を確認後、納付手続きが可能になります。
地方税では法人地方税、個人住民税などが納付可能です。
実は、自治体にとっても毎月の市民税、税務署にとっての源泉納付、は事務的にかなり負担のようです。
これは金融機関にも当てはまることで、地元密着の金融機関は別としてメガバンクを中心に支店等がない地域や地方の納税を受けなくなりつつあります。
そのため、法人にとって、電子納付はいずれ取り入れなければならない制度になるはずです。だれにとっても事務負担が軽減できるメリットのある制度でもあるので、検討されてみてはいかがでしょうか。
国税・地方税どちらとも申請情報を金融機関で審査した後から利用できるようになるので、手続きには1ヶ月ほどかかります。ご利用を検討されている方はお早目にお手続きをお願いします。ご興味のある方はe-Tax・eL-Taxのホームページに記載がありますので是非、ご参照ください。