お知らせ

グループ法人税制 形式的な100%解消で譲渡損益認識はNG(組織再編)

100%資本関係のある法人間で一定の条件を満たす場合に強制適用されるグループ法人税制。

 

複数の会社を経営する方にとっては、この制度のおかげで事業資産の移転等がしやすくなり、組織再編の活性化に繋がっているかと思います。

 

グループ法人税制の主なポイントとしては、次の事項があげられます。

 

① 資産の譲渡損益の繰り延べ

② 寄付金の全額損金不算入・受贈益の全額益金不算入

③ 受取配当金の全額益金不算入

④ 現物分配の譲渡損益認識除外

⑤ 子会社の自己株式取得の株主に対する特例 などなど。

特に、①・②・③はグループ法人税制適用の企業集団では、お馴染みのポイントかと思います。

 

①は、完全支配関係のある一定の条件を満たす法人間での資産の譲渡損益は、譲渡益でも譲渡損でも繰り延べられますが、この制度を活用したある行為が租税回避行為として裁判で判決が出た事例があります。それが次のような内容です。

 

1.ある一の者でA社とB社を完全支配していた。

2.A社の資産をB社に移転し、A社において譲渡損が100発生した。(しかし、グループ法人税制が適用され、Aにおいて100の譲渡損は繰り延べられる。)

3.A社において多額の利益の計上が見込まれたため、何とかこの譲渡損100を認識したいと考え、ある一の者は、A社の従業員に対して第三者割当を実施、結果、完全支配関係が解消された。

4.完全支配関係解消により、A社において譲渡損100が認識された。

 

上記の流れで、裁判所が否認をした理由は次のとおりです。

(1)A社従業員への第三者割当は、A社の事業規模から資金調達の経済的効果がない

(2)第三者割当の実行にあたり、他の者への募集の周知等がない

(3)株式の発行価額が合理的な価額でない などなど。

 

社会通念上、明らかに形式的な完全支配関係の解消であると判断された事例です。

この事例は、同族会社の行為計算の否認規定による否認となっております。

 

課税庁は、「法律による明確な規定がない」だから「問題ない」といった行為については、厳しく否認し、課税の公平を図る動きがあります。経済合理性の欠くもの、不自然なものは否認リスクが非常に高くなってきております。

 

税理士法人優和では、これらの事例を研究し、組織再編行為を行うにあたり、一般に公正妥当と認められるスキームの提案を実施しております。

 

グループ法人税制でお悩みの方は、ぜひ、お気軽にお問合せ下さい。

初回面談は無料です。組織再編のプロが課題の解決を実現します!

専従者の給与の額は適正ですか?青色事業専従者給与の否認事例のご紹介(確定申告)

ある税理士が自身が経営する事務所において妻に対して給与を支給し、これを経費にしたところ、税務署から否認されました。これに対し、この税理士は裁判にうって出ましたが、高裁判決で負けるという結果になりました。

税務のプロである税理士でも妻や親族に対する給与が否認されるくらい、実は個人事業主における、妻や親族への給与(=青色事業専従者給与)については、気を付けなければならないことなんです。

では、税務署から否認されない給与の額とは?

本日は、間もなく確定申告を迎えるにあたり、今一度、青色事業専従者給与について確認したいと思います。

 

「おいおい、うちはいままで税務署に何も言われたことないよ?だって税務調査来ていないし」

「うちの規模で税務調査なんてどうせ来ないし大丈夫だろ?」

 

 

当社のお客様からよくお問合せ頂く中に上記のようなお考えの方が多いのですが、実際は次のようなことが多いことも事実です。

 

「今まで税務署に何も言われたことがない」につきましては、税務調査が入り、具体的に青色事業専従者給与の額について、確認を受け、問題なしと判断された場合は当然に問題ありません。

しかし、このような確認もないのに「今まで税務署から連絡も来たことないし」を「税務署からOKをもらった」と勘違いされているケースが見受けられます。

 

申告納税制度という自主申告制度を取る日本では、税務行政もそのすべてを明確に把握できている訳ではありません。極端な表現をすると「まだバレていないだけ」ということも大変多いケースです。

 

さらに「うちの規模で税務調査なんてどうせこないよ」につきましては、最近の実際の事例で年商500万円の方に税務調査が入った事例もあります。

よって、事業規模だけで判断するのは危険です。

 

では、適正な給与の額とはいくらなのか?なぜ、この税理士は妻の給与が否認されたのか、その点について確認したいと思います。

 

まず、青色事業専従者給与とは、単純にまとめると次のようなものです。

1.原則として生計を一にする事業主の妻その他の親族に対する給与は例え従事実態があっても経費にできない。

2.しかし、青色事業専従者として次の要件を満たす場合にはその給与が経費になる。

 ① 年度末において15歳以上であること

 ② 年間の半分以上、その事業に従事していること

 ③ 事前に税務署に一定の書類を提出していること

 ④ 労務の対価として相当であること

 以上の4点を満たす必要があります。

 

では、税理士はなぜ、妻の給与が否認されたのか。その理由は上記②に該当しないというものでした。

 

当時、妻は税理士によって設立された関連会社の代表取締役や取締役に就任しており、「他に職業を有する者」であったことが明らかでありました。これが妻の給与否認の理由のようです。

皆様の中でもこれに近いことが長年続いているようなケースはありませんか。

 

当社ではこのように、明確な規定のない税務業務について、「否認されない」提案に自信があります。また、関連会社を数社お持ちの方の組織再編提案など、提案型事務所である当社だからこそできる課題の解決方法があります。

 

まずはお気軽にご相談下さい。初回面談は無料です!

mmap(MJS M&Aパートナーズ)とM&A業務に関する提携を開始致しました!

このたび、税理士法人優和では、中小企業様向けのスモールM&Aを主力とするmmapことMJS M&Aパートナーズと業務提携を開始致しました。

 

事業承継対策として中小企業の皆様にもM&Aという選択が増加していく中、当社でもM&Aアドバイザリー業務を開始しております。

具体的支援内容につきましては個別にご提案中ですが、ご興味の方がおられましたら担当者までお問合せ下さい。

 

なお、現在、ホームページの全面リニューアルを企画中であり、新しいホームページにてM&Aに関する支援内容も公表予定でございます。

 

今後も税務コンサルティングファームとして、経営者の皆様の課題の解決に全力でご支援する体制を整えております。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

経営力向上計画 年内申請には期限注意を!認定支援機関 中小企業経営強化税制

固定資産税の減税、即時償却・税額控除を受けるために必須となった経営力向上計画ですが、年内申請分には注意が必要です!

 

固定資産税軽減措置を利用する場合は、遅くとも固定資産税の賦課期日(1月1日)前までに経営力向上計画の認定を受ける必要があります。

中小企業庁のホームページでは、「12月に入ってからの申請は、年内に認定が得られない可能性がありますので、極力早期に申請をお願いします。」とアナウンスされています。
なお、中小企業経営強化税制(即時償却・税額控除)の場合は、1月1日ではなく各企業の事業年度末が認定の期限となりますのでご注意が必要です。

 

通常月であれば認定まで、早くて1週間から10日程度、遅くとも1ヵ月かかりますので、申請が集中する年末には1ヵ月以上かかる可能性があります。

つまり、逆算すると、11月の中頃までには経営力向上計画を申請しておかないと年内認定を受けれなくなる可能性があります。

仮に、今年間に合わなかった場合には、せっかくの固定資産税の半減期間が2年に短縮されてしまいます。

また、固定資産を取得した日の属している決算日までに認定を受けることができなかった場合、中小企業経営強化税制の適用を受けることができません。つまり、即時償却・税額控除が適用不可となります。

 

よって、12月決算の法人や個人事業主の方は早急に経営力向上計画の認定を受ける必要があります。

 

また、既に経営力向上計画の認定を受けている方も、新たに固定資産を取得した場合は、その都度、変更申請を行う必要があります。この変更申請を行わない場合、その固定資産については償却資産税の3年間半減及び中小企業経営強化税制により即時償却又は税額控除を受けることができませんので、こちらも注意が必要となります。

 

税理士法人優和では、認定支援機関としてお客様の経営力向上計画の申請支援を行っております。

当社の場合、単に計画の申請支援だけでなく、税務スケジュールのご提案など、総合的な税務コンサルティングサービスを行っております。

 

認定支援機関は、ぜひ、税理士法人優和までご相談下さい。

当社には、認定支援機関専任担当者が在籍しております。

お気軽にお問合せ下さい。

中小企業への優遇新基準【平均所得15億円の壁】平成29年度税制改正

平成29年度税制改正により新たに加わった所得判定基準。これまで資本金の額のみで税制面の中小企業における優遇措置を受けることができていたものが、見直されます。

 

具体的な改正内容は次のとおりです。

 

1.従来の判定基準

 資本金の額が1億円以下

2.新しい判定基準

 資本金の額が1億円以下+過去3年間の平均所得金額15億円以下

(注)その他の細かな判定基準は省略

 

よって、これまで会社実態は大規模会社なのに、資本金の額が1億円以下なので税務上は中小企業に該当し、税制面の優遇措置を受けてこれた会社に影響が出ます。

しかし、すべての優遇措置の適用が受けれなくなる訳ではありません。主な適用除外項目としては、

 

1.法人税率の軽減税率(15%)の適用

2.中小企業者等の少額減価償却資産の特例(いわゆる30万円未満の即時償却)

3.中小企業投資促進税制

4.商業・サービス業・農林水産業活性化税制

5.中小企業経営強化税制 などなど

 

次に、平均所得15億円の計算方法についてご説明します。

 

「平均所得金額=直近過去3期分の所得金額の合計×12÷直近過去3期分の合計月数」

(判定基準例)

 当期 平成32年3月期

 平成29年3期決算 所得金額17億円

 平成30年3月決算 所得金額14億円

 平成31年3月決算 所得金額20億円

 

(17億円+14億円+20億円)×12÷36=17億円 よって、15億円超

これが判定方法です。

なお、平均所得金額は、基本的に別表4の末尾の金額により計算するため、各事業年度において欠損金の控除をしている場合には、欠損金控除等の金額により計算します。

 

なお、この判定は、平成31年4月1日以後開始事業年度から適用されます。

 

税制改正の都度、税務スケジュールは見直しが必要です。

最新の税制動向は税理士法人優和までお問合せ下さい!

年収いくらまでが扶養控除対象?(配偶者特別控除の見直し)

平成29年度税制改正により平成30年分から適用が開始される配偶者特別控除の見直し。

控除対象の配偶者所得金額が「38万円超123万円以下となりました」という情報は多いものの、この「所得」って収入ではないから、具体的に年収がいくらまでが対象なのか分かりにくいですよね。

 

これまでも「収入」と「所得」の違いって、お客様からもよく受ける質問でした。

 

毎年、年末調整のときに会社に提出している「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」

当社が年末調整を行うときによくある記載誤りとして、「所得の見積額」に年収が書かれているケースが多いです。

 

パートの奥様が「主人の扶養の枠内で働きたいので年収は103万円以下」で働いているのに、この所得に見積額に年収そのまま「103万円」なんて記載すると所得超過で扶養からは除外されます。

 

さすがによくある記載誤りなので、当社ではお客様にきちんと内容確認しておりますが。

 

さて、本題に戻りますが、では、新しい配偶者特別控除の適用を受けることができる年収上限はいくらなのか、答えは年収約200万円になります。

 

「所得=年収-給与所得控除」これが所得の求め方になります。

 

年収200万円の場合の給与所得控除の計算は、200万円×30%+18万円=78万円

200万円-78万円=122万円でぎりぎり枠内です。

 

ただし、この場合の控除額は3万円(所得900万円以下の場合)になります。

 

ここで注意点!!!!

 

所得税の扶養と社会保険の扶養は違います!

 

社会保険の扶養は年収130万円未満で今のところ改正なしです。

 

つまり、現在103万円で頑張っている奥様が150万円になると所得税では扶養者のままでご主人の所得税が安くなりますが、社会保険の扶養からは外れるので注意が必要です。

 

税理士法人優和は会社税務だけでなく、給与計算や扶養に関する手続きも行っております。

会社の経理に相談にくるこのようなご相談にも対応しております。

 

どうぞお気軽にご相談下さい。

民泊で固定資産税が高くなる!?京都市で固定資産税の減税取消!空き家問題

最近よく耳にする「民泊」。外国人旅行者に自宅等を宿泊場所として提供し、宿泊料を得る、簡易版の旅館業です。本来宿泊業に該当するものの、まだその大半が無許可で営業をしているものが横行しているようです。

 

ここ、京都では最近でこそホテルが乱立し始めておりますが、民泊問題が社会問題化しています。

京都での主流は、古い町屋や狭い土地に建てられた古家で再建築不可の物件を改装し、比較的小規模な宿泊施設を民泊として事業化しているケースが多くみられます。

 

さらにその物件は賃貸物件というケースも多いようです。

 

賃貸化される一番の理由は、もともと住んでいた方が高齢で老人ホームへ、そして空き家では物騒だし、賃料収入も入るため、賃貸化が進んでいるようです。

 

この場合、土地の固定資産税はどうなるのでしょうか。

 

そもそも居住用家屋が建っている土地は、最大で6分の1にまで減額されています。

しかし、この要件を満たすためには、50%以上を居住用として使用していることが必要です。

 

これまでは、課税庁である京都市も所有者による自己申告に基づいて対応してようです。

つまり、民泊に出していても固定資産税は居住用として6分の1の減額をしていたようです。

 

しかし、京都市もついに対策に乗り出しました!

 

それは、民泊サイトを確認し、該当する物件が居住用になっている場合、過去5年間遡って固定資産税の減額を取り消したのです。

 

この物件、オーナーが割と脱税紛いの行為を行っており、実態は民泊なのに「貸家」として最短で1日の「定期借家契約」を締結することで、あくまで貸家としての契約であり、民泊ではないと主張、貸家の場合は居住用であり、固定資産税の減税は受けられると考えたようです。

 

しかし、京都市の見解は、固定資産税の減税対象となる「居住用」とは「特定の者が継続的な居住の用に供することをさす」と定義付けており、一時的な貸家は本件減税対象からは除かれるとの判断基準を公開しました。

 

これにより5年間以上、実質的に民泊経営を行っていたオーナーに対して固定資産税の減税分の取り消しを実行しました。

 

今後も京都市は今回のような民泊サイトからの実地調査も強化していく模様で、固定資産税の脱税行為はすぐに見つかるようになっていきます。

 

税理士法人優和では、このような脱税行為ではなく、合法的な基準で安心した節税対策の提案を行っております。

 

空き家対策にご興味の方は、ぜひ、当社までご相談下さい。

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