ある税理士が自身が経営する事務所において妻に対して給与を支給し、これを経費にしたところ、税務署から否認されました。これに対し、この税理士は裁判にうって出ましたが、高裁判決で負けるという結果になりました。
税務のプロである税理士でも妻や親族に対する給与が否認されるくらい、実は個人事業主における、妻や親族への給与(=青色事業専従者給与)については、気を付けなければならないことなんです。
では、税務署から否認されない給与の額とは?
本日は、間もなく確定申告を迎えるにあたり、今一度、青色事業専従者給与について確認したいと思います。
「おいおい、うちはいままで税務署に何も言われたことないよ?だって税務調査来ていないし」
「うちの規模で税務調査なんてどうせ来ないし大丈夫だろ?」
当社のお客様からよくお問合せ頂く中に上記のようなお考えの方が多いのですが、実際は次のようなことが多いことも事実です。
「今まで税務署に何も言われたことがない」につきましては、税務調査が入り、具体的に青色事業専従者給与の額について、確認を受け、問題なしと判断された場合は当然に問題ありません。
しかし、このような確認もないのに「今まで税務署から連絡も来たことないし」を「税務署からOKをもらった」と勘違いされているケースが見受けられます。
申告納税制度という自主申告制度を取る日本では、税務行政もそのすべてを明確に把握できている訳ではありません。極端な表現をすると「まだバレていないだけ」ということも大変多いケースです。
さらに「うちの規模で税務調査なんてどうせこないよ」につきましては、最近の実際の事例で年商500万円の方に税務調査が入った事例もあります。
よって、事業規模だけで判断するのは危険です。
では、適正な給与の額とはいくらなのか?なぜ、この税理士は妻の給与が否認されたのか、その点について確認したいと思います。
まず、青色事業専従者給与とは、単純にまとめると次のようなものです。
1.原則として生計を一にする事業主の妻その他の親族に対する給与は例え従事実態があっても経費にできない。
2.しかし、青色事業専従者として次の要件を満たす場合にはその給与が経費になる。
① 年度末において15歳以上であること
② 年間の半分以上、その事業に従事していること
③ 事前に税務署に一定の書類を提出していること
④ 労務の対価として相当であること
以上の4点を満たす必要があります。
では、税理士はなぜ、妻の給与が否認されたのか。その理由は上記②に該当しないというものでした。
当時、妻は税理士によって設立された関連会社の代表取締役や取締役に就任しており、「他に職業を有する者」であったことが明らかでありました。これが妻の給与否認の理由のようです。
皆様の中でもこれに近いことが長年続いているようなケースはありませんか。
当社ではこのように、明確な規定のない税務業務について、「否認されない」提案に自信があります。また、関連会社を数社お持ちの方の組織再編提案など、提案型事務所である当社だからこそできる課題の解決方法があります。
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