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「配偶者控除見直し」税制改正への議論が始まる

そもそも配偶者控除がなんなのかというと、納税者に下記の要件を満たす配偶者(夫や妻)がいる場合にその納税者の所得税を計算する際に38万円の所得控除を受けられるというものです。

要件とは…

① 生計を一にしている

② 配偶者のその年の合計所得金額が38万円以下である

③ 事業をしている場合に青色・白色申告者の事業専従者でないこと。

 

この制度は昭和36年にできたもので、当時は「夫が働き」「妻が専業主婦」という世帯が多数を占めていたため、専業主婦の働きを夫への所得控除という形で評価しようという趣旨で創設されたようです。

しかし、時代が変わり専業主婦のいる世帯が昭和55年で1114万世帯でしたが平成27年では687万世帯に減少、逆に共働き世帯は昭和55年で614万世帯だったのが1114万世帯に増えたという総務省のデータもあり、創設当時から考えると時代に合わなくなっているのではないかと意見が出されたわけです。

しかし、時代が変わったとはいえ現在の様々な世帯の財政状況では、増税により大変になるケースもあるため慎重に考えるべきという意見も多く、見送られてきました。

 

年収360万のサラリーマンで配偶者控除と基礎控除以外の所得控除がない場合

配偶者控除あり 所得税と住民税で年間24万8600円納税

配偶者控除なし 所得税と住民税で年間30万4000円納税

差額5万5400円

 

来年度の税制改正に向けた議論の中で安部総理大臣は、「経済社会は家族や働き方などといった面で大きく変化してきていて、所得税もこの変化を踏まえて変革が求められている。働き方改革とともに人々が能力を一層発揮できるようにすることが重要だ」と述べられ、その焦点が冒頭で説明しました配偶者控除の見直しということです。

 

ある側面の考え方では配偶者控除を受けるため、その要件を満たそうと給与収入を103万円以下に抑えて合計所得金額を38万円以下にするという「103万円の壁」により、税制が社会進出の足枷となり、だったら配偶者控除を廃止しようとなっています。

 

ただの廃止では増税により大変になるケースもあるため、具体的内容はわかっていませんが「夫婦控除」と言われているものを検討しているようです。

消費税増税が平成31年10月まで先送りにされている状況では、家庭に何かしらの負担増は避けられないと思いますが、全体的によくなるよう制度の見直しを期待するばかりです。

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