平成29年度税制改正により新たに加わった所得判定基準。これまで資本金の額のみで税制面の中小企業における優遇措置を受けることができていたものが、見直されます。
具体的な改正内容は次のとおりです。
1.従来の判定基準
資本金の額が1億円以下
2.新しい判定基準
資本金の額が1億円以下+過去3年間の平均所得金額15億円以下
(注)その他の細かな判定基準は省略
よって、これまで会社実態は大規模会社なのに、資本金の額が1億円以下なので税務上は中小企業に該当し、税制面の優遇措置を受けてこれた会社に影響が出ます。
しかし、すべての優遇措置の適用が受けれなくなる訳ではありません。主な適用除外項目としては、
1.法人税率の軽減税率(15%)の適用
2.中小企業者等の少額減価償却資産の特例(いわゆる30万円未満の即時償却)
3.中小企業投資促進税制
4.商業・サービス業・農林水産業活性化税制
5.中小企業経営強化税制 などなど
次に、平均所得15億円の計算方法についてご説明します。
「平均所得金額=直近過去3期分の所得金額の合計×12÷直近過去3期分の合計月数」
(判定基準例)
当期 平成32年3月期
平成29年3期決算 所得金額17億円
平成30年3月決算 所得金額14億円
平成31年3月決算 所得金額20億円
(17億円+14億円+20億円)×12÷36=17億円 よって、15億円超
これが判定方法です。
なお、平均所得金額は、基本的に別表4の末尾の金額により計算するため、各事業年度において欠損金の控除をしている場合には、欠損金控除等の金額により計算します。
なお、この判定は、平成31年4月1日以後開始事業年度から適用されます。
税制改正の都度、税務スケジュールは見直しが必要です。
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