お知らせ

安易な資産計上は税務上注意が必要です!(源泉徴収義務)

中小企業において、会社の財務状況を少しでも良くみせたいという目的から、社長が引き出した現金預金を本来であれば役員貸付金又は役員報酬として処理すべきところ、立替金や〇〇資産という名目で資産計上するケースがあります。

このような処理を行う企業のうち、その大半は財務状況が悪化しているにもかかわらず、表面上(貸借対照表上)実質的な債務超過を隠蔽する場合に多く見受けられます。

一般社団法人の代表者(理事長)に対して貸付金に係る返済原資として将来支払われる退職金の一部前貸しとの名目で支払った現金を巡り、源泉徴収義務が生じるか争われた事件があります(東京高判H31.1.30)

この事件は、法人が古くから代表者に対して貸付金を有していたところ、この貸付金の弁済を受ける必要が出てきたのですが、当の代表者は法人に対して返済する原資を有しておらず、弁済できない状況でありました。

そこで、法人が退職金規定を新たに整備し、代表者がその退職金の前借りを可能とする取扱いを定め、その前借りとして代表者に対して出金した現金預金を「退職給付資産」として資産計上し、この資産を実質的に貸付金と相殺していたようです。

これに対して国は、資産計上を認めず、退職給付資産として支出した金銭は給与等(役員賞与)に該当し、源泉徴収義務があるとの判断を下しました。また、本件経理処理は、事実の隠蔽又は仮装にあたるとされたことから重加算税の対象にもなったようです。

税理士法人優和では、公認会計士による適正な会計基準に基づいた税務申告支援を行っております。安易な会計処理は会社の信用問題にかかわる重大な事件に発展することもあります。

最近は中小企業であっても一定の基準を満たした会計基準に基づく決算書でないと対外的な信用(特に金融機関に対して)は獲得できない時代になっております。

信頼のある決算書の作成支援を受けたい方は、ぜひ、当社までご相談下さい!

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